あと0日


[02]再び宇宙へ


ロケットに乗り込んだ俺の体は再び宇宙へと戻された。
あまり緊張感が湧いてこない。もうあと何時間かしか無いはずなんだけどな…。
まさか、人生の中で2度もロケットに乗る事になるなんてな。
しばらくすると、地球が鮮明に見える位置まで来た。
「…何回見ても綺麗なんだな。地球ってやつは。」
俺がそう呟くとロケットが停止した。
「…待機場所に着きましたよ。」
後ろにカイが立っていた。
「あぁ。…本当に来んのかよ、隕石。」
辺りは信じられない程静かで、隕石が来るなんて考えられない程だった。
「…猛スピードで突っ込んでくるようです。隕石って物は。」
カイが遠くを見ながらそう言う。
「…父親に何か聞けたら良かったんですけどね。」
カイは寂しそうに笑いながらそう言った。
「…そうだな。…俺なんかに地球なんて大きな物…守れないって思ってた。でも今はさ、守るしかないんだよな。俺が…。」
まるで独り言の様に、地球を見つめながら言った。
あの地球で俺の守るべき人々が…俺の帰りを待ってるんだ。
「…太陽さんには守るべき人達がいますもんね。大丈夫ですよ…皆が太陽さんに力を貸してくれますから。僕たちも…一緒に戦ってるつもりです。」
そう話すカイの目は力強く輝いていた。
「…ありがとう。心強い味方だよ。」
2人で顔を見合わせて笑った。

それからしばらくして、カイが操縦室の方に帰ってから1人でぼんやりしていると、
「太陽さん。」
スイがやって来た。
「これを。」
スイが手渡してきたのは…見たことの無いような近代的な宇宙服。
「…これを着て行くって事ですか?」
「はい。この宇宙服はかなり高温な熱に耐える事が出来る…隕石対策が施された物です。安心してください。」
スイから受け取った宇宙服は見た目よりも全然軽く、その能力の高さを感じた。
「分かりました。」



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