あと0日


[01]迎えた朝


これは夢なんだろうな…俺の隣に由紀子がいる。そして裕太がいる。
「お父さん!」
裕太のキラキラした笑顔が俺の方を向く。
「あのね、僕お父さんとお母さんとずっと一緒にいたいんだぁ!」
そんな素直な言葉に由紀子が微笑む。
「そうね。私もよ。」
俺が夢見心地で黙っていると、
「ね?お父さん。」
由紀子が俺に問ってきた。
「え…あぁ、そうだな。俺もだよ!」
そう言った瞬間、目を開けていられない程の光に包まれた。

「…朝かな。」
昨日と同じ、真っ暗な朝を迎えた。
朝に出発すると言っていたな…そう思って布団から出た。
そして昨日と同じ様に朝食をとりにいく。

「あ、おはようございます!太陽さん。」
メイが俺に気づいて挨拶をしてくれた。
「おはよう。」
食堂にはもう3人が揃っていた。
いつもと同じ様な他愛もない話もすぐに終わってしまう。
「では、準備が出来たら出口の方へお越しください。」
スイの言葉が心にやたらと響く。
何でも無い様な言葉のはずなのに…。

ついにこの日を迎えたんだ…。




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