あと1日


[03]眩しい光


「何か明日について…質問はありますか?」
スイが俺にそう尋ねる。
俺は色々考えてみた。何かあるだろうか…。
「そうですね…特に無いんですけど…隕石って壊せる物なんですね。念じるだけで。」
俺は少し笑って言った。
「そう…みたいですよ。信じられないですね。」
「太陽さんの能力は凄いものなんですよ。」
メイとカイが口々に答えてくれる。
「壊した瞬間って、やっぱり眩しいんでしょうかね?」
20年前…その光は地球まで届いたんだからな。
「そうでしょうね。」
スイが微笑みながらそう言った。
スイのこんな優しい表情を見るのは初めてかもしれない。

もう今日は自由にします、と言われて朝の部屋に戻った。
「何か嘘みたいだな…明日の今頃にはもう…」
宇宙で隕石を待ち構えてるんだろうな。
20年前のあの日見た光が隕石が壊れた瞬間だったなんて…そして今自分がこんな状況に置かれるだなんて…誰が思っただろうか。
もう地球との通信手段はこの場にないんだ。
裕太達と会話を交わす事すら出来ない。
これからどうやって過ごそうか…そう思っていたら
「あのー…太陽さん。」
メイの声が部屋の外から聞こえた。
「ちょっとお話…出来ませんか?」
どうせ暇だしな…そう思って部屋の外へ出た。




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