あと2日


[05]出発


特に何もする事が無く、ずっとぼんやりと窓の外を眺めていた。
気がつけば、もう空が赤くなってきていて夕方になっていた。
すると、ドアをノックする音が聞こえた。
「太陽さん、そろそろ出発の時間になるので…。」
メイの声だ。
「分かった。今行くよ。」
ゆっくりと椅子から立ち上がる。
「…じゃあな。」
窓の外の景色に別れを告げて…。

部屋から出て、メイの後に着いて行く。
しばらく行くと…
「すげー…。」
人生で初めて見た…本物のロケットだった。
「これに乗って宇宙に行くのよ。初めて見るとびっくりするでしょ?」
いつの間にかテンもその場にいた。
「でもまあ…実感湧いてきましたよ。」
これは夢なんかじゃない…ずっと前から分かっていたはずなのに。
「では、乗り込みましょう。」
スイ達3人の後ろに着いて、ロケットの中に乗り込む。
「…待ってますよ。どうか無事で。」
テンが笑顔で見送ってくれる。
「…はい!」
それに元気良く返事をして、その笑顔に背を向ける。
さすがは極秘機構EPと言うべきか…中はかなり立派な造りで、宇宙服なども必要ないらしい。
「では、出発します。」
3人が何やら色々点検をした後、ロケットが動き出した。
地球から遠ざかっていく…。
俺はこの瞬間、ついに出発した。




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