あと2日


[04]約束


「私が死にたいって言った時…太陽さん複雑な気持ちだったんですね…。」
あの時必死で隠していた気持ちなのに…バレてしまった。
「まあね。…悪かった。あの時は俺も悩んでいて…何も話せなかったんだ。」
しばらく沈黙が続く。
「私の…命の恩人なんですよ、太陽さんは…それに裕太君だって…太陽さんの事大好きなんですよ…。」
楓の声が震えているのが分かった。
「だからっ…帰って来てください…絶対に。」
泣いているのにはっきりと楓はそう言った。
「…ありがとう。絶対に帰って来るから。楓の為にも…絶対に。」
楓と――自分にも言い聞かせるように――強くそう言った。
「約束…ですから。」
「ああ、約束…するよ。」
最後にそう話して電話を切った。
嬉しかった。楓が俺を励ましてくれた事が…泣きたいぐらい。
でももう決めたんだ。
「泣かない」と。
「守ってやろうじゃないか…。楓との約束…。」
1人で拳を握ってそう呟いた。
電話越しの…大切な約束。




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