あと2日


[03]窓の外


別室に3人と入って俺とメイ、カイとスイの組み合わせで向かい合って座る。
「えっと…まず、宇宙に出発するのは今日の夕方頃になります。」
スイが説明を始める。
「太陽さんは…特に何か特別な事をする必要はありません。」
そうだった、メイに聞いた時もそんな事を言われたな…。
「分かってますよ。強く…念じる事だけですよね。俺がやるべき事は…。」
俺がそう言うと、3人が頷く。
「そうですよ。…では、出発まで少し時間があるのでご自由にどうぞ。私達は少し準備があるので…。」
「…分かりました。」

3人と別れて、控室の様な部屋へ通された。
「…て言われても何もする事無いな…。」
1人でそう呟いて、窓の外に目をやった。
綺麗な緑が一面に広がっている。
これを守るのが俺か…自分の背負った物の大きさを痛感する。
その時、携帯電話が急に鳴りだした。
ディスプレイに映る、知らない番号…いつもなら無視をするのに出なければいけない気がして電話に出た。
「もしもし、岩水です。」
「もしもしっ太陽さん!」
電話の向こうから焦っている様な声が聞こえる。
この声の持ち主は――
「楓!?」
「どうしてっ…どうして教えてくれなかったんですかっ!」
楓は少し早口で、報告したい事があって俺の仕事場に来たところ、俺が居なくて…榊さんに全てを聞いたんだ、と告げた。
榊さんも何かを察したのか…。




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