あと2日


[02]本部長


「着きましたよ。」
そんなスイの声に促され車を降りる。
EPの本部は山奥にひっそりと、しかし堂々と建っていた。
「中へ入りましょう。」
スイが入り口の機械にカードを差し込むと、ドアが自動的に開いた。
広い廊下を進んで行くと1つの部屋へ通される。
「どうぞ。…本部長へ会っていただきたいのです。」
スイがそんな事を言うので俺の足は止まってしまった。
「ほっ…本部長!?」
俺はスイが1番偉い人だと思っていた…。
「はい。まあ、そんなに緊張しないで下さい。大丈夫ですよ。」
そんなスイの言葉に後のメイとカイが頷く。
はぁ…と小さくため息を吐いて、半強制的に中へ入る。

「失礼します。」
中へ入ると、立派な椅子に本部長だと思われる人が座っていた。
「…初めまして。あなたが岩水太陽さんですね。」
「は…はい!」
本当に驚いた。
本部長は女性の方だった。
「私がEP本部長のテンです。…この度は本当にありがとうございます。」
テンは優しく微笑みながらそう言った。
「いえ…決心できたのも3人のおかげですし、もう決めましたから。」
テンは俺の手を握って目を見てきた。
「絶対に…太陽さんなら無事に帰れると思いますよ。私も…信じてますから。」
テンも良い人なんだな…と心から思った。
「ありがとうございます。…帰りますよ。絶対に。」
俺がはっきりそう言うとテンは笑った。
「では、詳しい説明はスイの方から聞いてください。また…出発の時にお会いしましょう。」
「はい。失礼しました。」
3人と一緒に本部長室を後にした。




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