あと2日


[01]出発の日


出発の日がやって来た。

カーテンの隙間から朝日が差し込み、目が覚めた。
「っ…来たな…今日。」
大きく伸びをして布団から出る。
「…行って来るな、裕太。」
眠っている裕太の頭をなでて部屋を出る。
朝早いので、居間にも誰もいなかった。
「…行ってきます。」
そう呟いて玄関を開けて、まだ静かな朝の中に出て行った。

「悪い、待たせたか?」
メイと話をした、あの公園に着くともう3人が揃っていた。
「いえ…しかし、こんな朝早くて良かったのですか?息子さんとは…。」
スイが申し訳なさそうに言う。
「良いんだよ。…声でも聞いたら決心が鈍りそうだったからな。」
俺の本心だ。きっと、裕太と少しでも話したら行きたくなくなる。
「そうですか…では出発します。」
俺は3人と一緒に車に乗り込んだ。

車の中を重い空気が覆う。
「これから…どこに向かうんですか?」
その空気を断ち切りたくて、何となく質問をしてみる。
車はどんどん山の方へ入っていく。
「まずは、私どもの機構の本部に向かいます。」
そういえば極秘機構とか言ってたな…。
「機構…ですか。」
「あ、そういえば何も言ってなかったですよね。私達は『EP』と呼ばれる機構から参りました。」
メイが教えてくれた。
EP…地球を守るって意味か…。
そんな事を考えながらもそのEPの本部へ到着した。




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