あと3日


[03]親子


夜になった。
あの後、泣きまくった俺と裕太は手を繋いで帰った。
「早く帰って来て。」
という裕太の願いを守ると誓って…。

「お父さん…。」
布団に入った裕太が小さな声で俺を呼ぶ。
「ん?寝れないのか?」
裕太は小さく笑って頷いた。
「お父さん…僕ちゃんといい子で待ってるね。だから、お父さんも頑張って…。」
俺は裕太の頭をくしゃっと撫でた。
「ごめんな。こんなお父さんで…。」
「ううん。僕はお父さんの事大好きだよ?」
かなり嬉しい事を言ってくれる息子だ。
俺はこの瞬間ふとカイの話を思い出した。
父親の存在の大きさ…。
「ありがとうな。」
そして…より強く意思も固まってきた。
絶対に帰って来る。裕太の為にも…必ず。
しばらくすると、裕太から静かな寝息が聞こえてきた。

俺が居間に戻ると両親が少し心配そうな顔で待っていた。
「裕太は寝たの?」
母親の声も心配そうだ。
「あぁ。…ごめんな。何の説明も無く急に。」
「いや…これから説明してくれるんだろう?」
当たり前だろ。
「うん。信じて…もらえないかもしれないけど、本当の事だから。」
「あぁ。息子の話だ。信じるよ。」
親父のそんな言葉に安心して、俺は話しだした。




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