あと4日


[06]初めて


「太陽さん!」
仕事場に戻ると、後輩が心配して待っていたらしく、俺に駆け寄って来た。
「悪かったな。急に抜けたりして。」
「もう話終わったの?」
榊さんが奥から顔を出す。心配している様には見えないが…。
「あ、はい。そうなんですけど…。」
さすがに長い休みがほしいとは言い出しにくい。
「何?」
と榊さんに睨まれるともっと言い出しにくくなった。
「その……休みを頂きたいんですけど。」
意を決して言うと、榊さんは何かを察した様に頷いた。
「分かった。…詳しく話をしたいね…ちょっと。」
と奥に招かれた。

そして今、奥の部屋で榊さんと向かい合って座っている。
「太陽この間からおかしいよ。何かあったろ?」
どうしよう…素直に言うべきなのか?
「まあ、色々ありまして…。」
結局濁してしまう。
「色々ねぇ…それは私には話せない事?」
話せない事も無いが…信じてもらえるのだろうか?
「信じて…もらえないかもしれないですけど…聞きますか?」
何故か逆に聞いてしまった。
「…聞かせてくれる?」
俺は今置かれている状況を初めて人に話す事になった。




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