あと4日


[05]安心


「良いんですか…?」
メイが目を丸くしてそう尋ねてくる。
「あぁ。悪かったな、今まで待たせて。」
「…ありがとうございます!」
メイと俺は自然と顔を見合わせて笑った。
メイと居ると安心していられる自分がいた。
「メイを見てると…由紀子の事を思い出すな。どことなく似ているんだ。…だから決断出来たのかもしれないな。」
俺がそう言うと、メイは少し顔を赤らめた。
「そうなんですか…。」
そう言って一度目を伏せると、すぐに冷静に戻った。
「では、一応説明をしておきますね。」
そうか。もうあんまりゆっくりしている暇は無いんだ。
「太陽さんには…明後日には地球を発って、私達の宇宙ステーションへ一緒に行ってもらいます。」
明後日…隕石の落ちる2日前だな。
「そして、そこで隕石が近づくまで待機してもらいますね。」
なるほど。1日宇宙で待機するんだな…考えられないな。今はまだ。
「で…隕石を壊す能力ってどう使う物なんですか?」
一応、肝心な事を聞いておかないとな。
「その辺の詳しい説明は、スイさんに聞いた方が良いと思いますが…おそらく、何か特別な事をする必要は無いと思います。」
「…え!?じゃあどうやって…。」
まさか身を投げ出すだけ…とか無いよな?
「…隕石の前に行って強く念じるだけです。自分が負けないように。」
…そのまさかでした。
「…分かった。じゃあ、明日は自由に過ごして良いんだよな?」
「あ、はい。」
「ありがとう。…じゃあ職場に帰るから。また…明後日に。」
「わかりました。」
メイはそう言って、その場を後にした。
俺も仕事場に引き返す。
何日間休みもらうか…考えながら。




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