あと4日


[03]背負っている。


しばらく2人で歩き、近くの公園に着く。
「本当にすいません…お仕事中に。私はメイといいます。」
メイ…か。見ているとやはり由紀子を思い出させる顔立ちだ。
「昨日…カイとお話したんですよね。結論…出ましたか?」
「…正直まだなんだよ。迷ってる。分かってるんだけどね、俺しか行く人がいない事ぐらい。」
自分でも情けないと思うが、はっきりと結論を出す事が未だに出来ない。
「息子さんの事が…心配なんですか?」
メイが恐る恐る尋ねてくる。
「まぁ、心配っていうか…。俺は由紀子が死んだ時…裕太に絶対に寂しい想いをさせない…そう誓ったんだ。別に誰かに言った訳でもないけど、これだけは絶対に破りたくない。」
メイの目を見てそうはっきりと告げた。
「そうだったんですか…。私達…すいません、いつも太陽さんのそんな気持ち考えずに。」
「いいって。言わなかった俺も悪かったし。」
そう言えば、だんだんこの人達の事を信用できるようになっているな。
「…私は太陽さんには是非、行ってほしいです。太陽さんからは…何か強い物を感じます。太陽さんなら帰って来れる様な気がするんです。」
メイは俺を真っ直ぐ見てそう言った。
「太陽さん…お願いします。私達の地球を…守って下さい。」
こんな大きな事を生涯の内に言われるなんて、誰が想像するだろう。
俺は今、地球を背負っている…。




[前n] [次n]
[*]ボタンで前n
[#]ボタンで次n
[←戻る]




Copyright(C)2007- PROJECT ZERO co.,ltd. All Rights Reserved.