あと4日


[02]空気


色々な事を考えながら仕事場に着く。
「おはようございます!」
後輩が元気良く挨拶してくれる。
「おはよう。」
自分の事をどんなに慕ってくれている後輩でも…あの事は相談出来ないんだな…。

そんな日の昼過ぎになって俺に会いに来たのは…
「岩水太陽さんいらっしゃいますか?」
「はい…。あなたは…。」
そう、あの3人の内の唯一の女性。由紀子に少し似ているという…。
「すいません、毎日のように押しかけてしまって…ただ、私もお話がしたくて。」
彼女は恐縮しながら言った。
「太陽さん、何々ですか?この人達…いつも太陽さんの周りウロウロして…。」
後輩が怪訝そうに聞いてくる。どうするかな…本当の事は言えないが、この人と話をしたい。
そんな事を思いながら黙っていると、
「話があるなら行って来て良いわよ。」
「榊さん!」
榊さんは一応この美容室の中で1番偉い人で、皆も頼っている姉御肌な人だ。
「あ、すいません!太陽さんのお仕事を邪魔してしまって…。」
「良いよ。すいません、榊さん!」
軽く会釈をして美容室を出る。
もしかしたら榊さんは、このただ事ではない様な空気を察してくれたのかもしれないな。




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