あと5日


[02]父親


「僕の父は…我が子、僕の姉になりますけど…を亡くした時にその能力を授かったみたいでした。」
「やっぱり…大切な人を失った時なんだな。」
「はい。…僕の父も…生き残る確率が20%だと聞いて衝撃を受けたようでした。始めは動揺してて…。」
そりゃそうだろうな。
「でも…行ったんです。隕石を壊しに。」
行ったのか…強い人だ。
「20年前…昼間に花火みたいなもの見えませんでした?あれは、父が隕石を壊した瞬間なんです。」
20年前のあの日見た昼の花火が頭の中をよぎる。
「そうだったのか…。それでカイの父親は?」
カイは一度目を伏せると、そのまま答えた。
「亡くなりました。隕石を壊した…次の日に。」
「…そうか、悪い。」
やっぱり、20%では…。
「死んでから気付きました。父親の存在の大きさを…。だから…裕太君の事を考えると、太陽さんには絶対亡くなってほしくないのです。」
「カイ…。」
父親の存在…。


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