あと6日


[04]ショック


気が遠くなっていくような気がする…。
「…さん、太陽さん。」
スイの落ち着いた声でハッと我に帰る。
「すいません。いきなり辛い現実を突きつけてしまって…。」
「80%って…生き残る確率が20%しかないって事じゃないですか!」
つい声を荒げてしまう。
「そうですが、太陽さんが強く『負けない』と念じる事が出来れば
「俺が死んだらっ…!」
スイの言葉を遮って言う。
「俺が死んだら…裕太はどうなるんだよっ…独りになって…!」
裕太に寂しい想いをさせないと由紀子を失ったあの日、誓ったのに…。
「しかし、あなたが地球を救わなかったら隕石の爆発によって…息子さんも太陽さん自身も死んでしまうのですよ。」
スイが冷静に言い放つ。
「そうかもしれないけど…俺にはそんな事…。」
言葉に詰まってしまう。
今の俺にはあまりにもショックが大きすぎる。頭の中が真っ白だ…。
「あと6日しか無いので、早く結論を出していただきたいのですが…。」
スイがそう言い終わった途端、
「太陽さん!」
仕事場から呼ばれる。
今しかない、そう思った。
「帰って下さい。もう仕事なんで。」
そう言って立ち上がり仕事場に向かった。
後ろからスイ達が呼び止めるのも気にせずに…。


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