あと6日


[05]弱虫


「お話終わったんですか?何々ですか、あの人達は?」
後輩が不思議そうに聞いてくる。彼女も昨日から気になっていたらしい。
「…さぁ?よく分かんないんだよなぁ。」
曖昧に返事をする。
あんな事…他の人に言える訳ない。信じてもらえないだろうしな。
「そうですかぁ…。」
後輩もまだ納得してない様だが、この話は断ち切る事にした。

そして今日も裕太を迎えに行って家に帰る。

夜になって、裕太の寝顔を見つめながら今日のスイの話を思い出した。
「俺しかいない…か。」
自分しか止めれる人がいない、というのは分かっている。
「20%…」
自分が生き残る確率を呟いて切なくなる。
『絶対負けない!』と念じる事が出来ないんじゃないか…そう考える事しかできない。

自分の中の弱虫野郎が俺の中を占領していく。
そんな自分が嫌だ…。



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