あと6日


[03]能力


聞きたい事がたくさんある。でも何も言葉が出ない…。驚きすぎて。
「どういう…事ですか?」
やっとの事で出た言葉がこれだった。
「聞いた通りの意味ですよ。今、太陽さんには特別な能力があります。隕石を止める為の…。」
特別な…能力?!
「嘘だ…どうして俺なんかにそんな物が?」
「…あなたにその能力が宿ったのは1年前です。ちょうど、奥さんを亡くした時です。」
1年前から…。
「この能力を授かったのはあなただけです。あなたしかいないのです、太陽さん。」
そうスイが淡々と説明する。
「まぁ…それが本当なら、俺がやるしか無いんだよな?」
「はい。しかし…」
「しかし?」
まだ何かあるのか、と思ってスイの顔を見ると話すのをためらっている様だった。
今までそんな事無かったのに…。
見ればあとの2人もそんな顔をしていた。
「はっきり言って下さいよ。」
俺がそう言うと意を決したようで話し始めた。
「あなたが持っている能力は…隕石を壊す能力です。がしかし…あなたがその時死ぬ確率も…80%あるんです。」
「…え?」

聞きたくなかった…大切な人と引き替えに授かった能力なんて。


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