番外編〜楓〜後編


[09]光


そして次の日が来た。
今日は…太陽さんが戦いに行く日だ。
「太陽さん…私…信じてますから。」
今はもう、私の声など届かぬ程に遠い所にいるのだろう。
だけど、空を見上げると黙ってはいられず、私は呟いた。

「じゃあ、行ってきます!」
今日は休日なのだが、じっとしていられなかった私は家を出た。
向かった先は、近所の川原。
「…今ごろ隕石が近づいてんのかな…。」
呑気な事をつぶやきながら、ゆっくりと座り、やはり空を見る。
「…20%…。」
私はそう呟いてから、ハッとして頭をぶんぶん振った。
暗いことは考えない。
自分の中で…そう決めたから。
どうして太陽さんが選ばれたのか…それは分からないけど、太陽さんはそれに勝てる強さを持っているはずだから…。
そんな事を1人でしていると、
「ん…?花火…!?」
昼間の明るい空に、ぼんやりとした光が見えた。
「もしかして…太陽さん…なの?」
結局その光が何なのかは分からなかった。
でも…何となく、太陽さんの笑顔が頭に浮かんだ気がした。




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