番外編〜楓〜後編


[08]好き


私のそんな言葉を聞いて、隼人は小さくため息をついた。
「…安心できるわけないだろ?」
「…え?」
私は無理していた事を見透かされていた…というドキドキが収まらないままだ。
「楓はけっこうため込むタイプっぽいからな。…今は俺らがいるんだから無理すんなよ。いつでも頼っていいんだからさ!」
隼人がニコッと笑いながらそう言った。
その笑顔に私の心は更にドキドキし始める。
「…うん、ありがとう。なんか千夏にも同じ事言われてるような気分!」
「お前なぁ…どうせ同じ顔ですよ!」
それを隠す様に少し冗談を言うと、隼人もそれに合わせてくれた。
「…本当にありがとね。なんか…元気出た。」
私がそう言って立ち上がると、隼人は頷いた。
「あんまり無理すんなよ。…楓は1人じゃないんだからさ。」
隼人はそう言うと、
「じゃあ、俺は先に教室戻るな。」
と教室に下りていった。
「…太陽さん…私がへこんでてもダメだよね。」
空を見上げて呟く。
「…私…信じて待ってますから。…親友が出来たこと…報告します。」
そして…好きな人が出来たことも…言えると良いな。
自分の気持ちに気づいて、心の中でそう呟いた。

私は…隼人が好きなんだ…。




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