番外編〜楓〜後編


[07]昼休み


そして、その日の昼休み。
私と荒波兄弟はお弁当を食べるために屋上に来ていた。
「あーっ!私、先生に呼ばれてるんだった!」
急に千夏が大声で叫び、立ち上がった。
「じゃあ、後はよろしくね!隼人くん!」
食べ終わった弁当の片付けを隼人に託して、千夏はダッシュで屋上から出て行った。
「…騒がしい奴…。」
そんな言葉を吐きながらも、隼人は千夏の弁当を片付けていた。
「はは…とか言いながらちゃんとやるんだね。」
私がそう言うと、隼人は私の顔をジーッと見てきた。
「…ん?な…何!?」
隼人のような整った顔に見つめられると、さすがに照れてしまう。
「…何か楓、今日元気なくない?」
その言葉にドキッとする。
普通に振る舞ってきたつもりなのに…いつ気づいたんだろう…。
「そっ…そんなことないよ?いつも通りじゃん!」
動揺をなるべく隠しながらそう言うと、隼人は首をかしげた。
「絶対何かあっただろ。…いつも通りではないな。」
何でこんなに隼人に見透かされてるんだろう…。
私はしょうがなく認める事にした。
「…うん。ちょっとね。…あ、イジメとかじゃないから安心して?」
私はなるべく隼人を安心させようと笑顔で言った。




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