番外編〜楓〜後編


[06]空


次の日。
朝起きて空を見るとよく晴れていた。
「…明日…太陽さん闘いに行くんだよね。」
私はそう呟いて、少しだけ寂しい気持ちになった。
太陽さんは独りで闘うのだろう…。
「私も…味方ですから。」
私の声が届くはずないが、私は太陽さんに届くようにとそう言った。
「楓ー!?遅刻するわよ!?」
下から母親のそんな声が聞こえて、私は慌てて部屋から出た。

「じゃあ行って来ます!」
「行ってらっしゃい!」
母親に見送られ、家を後にする。
いつもと同じはずの通学路に変な違和感を覚える。
「あ…私…。」
気づけば私は空ばかりを何度も見ていた。
太陽さんなら大丈夫…そんな風に信じていても、やはり心配してしまう。
「はぁ…。」
小さくため息を吐いてしまう。
今辛いのは太陽さんなはずなのに…。
そんな事を思っていると、
「楓!おはよー!」
千夏の声が後ろから聞こえて、振り向くと、千夏と隼人が立っていた。
「おはよう、千夏、隼人!」
2人といる時はなるべく笑顔で居よう。
そう決めていた私は元気を出して挨拶を返した。
そして、そのまま2人と学校へ向かった。




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