番外編〜楓〜中編


[08]屋上


相手は予想外の事にあ然としているようだった。
「私はもう前とは違う。もう…負けたり逃げたりなんかしないから。…あんた達みたいな最低な人達なんかの…思うようにはさせないから。」
私は心の中にある言葉をそのまま口にした。
和佳達は、いつもと違う私の様子に驚いたのか言葉が出ない様だった。

昼休みになって私は弁当を持って屋上に移動した。
今まで独りで罵声に我慢しながら教室で食べていた弁当がいつもよりはましに感じた。
その時だった。
「おー?先客がいる。」
ドアの開く音と人の声に反応して私はとっさに振り向いた。
「あ、ごめんね。もしかして驚かせちゃった?」
振り向いた先にはほぼ等しい、可愛い顔をした男女が立っていた。
「あ、邪魔ですか?」
とっさに出た私の言葉に2人は同じ微笑み方で答えた。
「別に大丈夫だよ?」
「ていうか隣のクラスの松岡さんでしょ?同じ学年なんだから敬語いらないよ。」



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