番外編〜楓〜中編


[07]新しい道のり


教室への道のりが異常に長く感じた。
でもそれは絶望からじゃなくて…戦うと決めたから、新しい道のりって事だと思った。
ガラ…と教室の扉を開く音が鳴ると、騒がしかった教室が静まり返った。
「…松岡さん?マジで!?今日来たの?」
「超しぶといじゃん、こいつゴキブリなんじゃない?」
和佳とその取り巻き達が私の姿を見て笑い出す。
私はその声を無視して席に黙って着いた。
前の様にうつむかないようにしっかりと前を向いて…。
すると笑い声が次々に止み、静かになった。
「…何、無視?」
すかさず和佳達が私の周りを囲む。
「本当に目障りなんだけど、あんた。死んで?」
久美がそう言うと、周りから「死ね」という言葉を浴びせられる。
でも私はひるまなかった。
「死ぬ訳ないでしょ?私の人生なんだから、あんた達には関係ない。」
私が冷静にそう言い放つと和佳達は明らかに不機嫌そうな顔をした。
「は?何マジになってんのよ。気持ち悪いんだけど!」
和佳がそう言うと、取り巻きの1人が私の髪を掴んで引っ張った。
私はその手をすぐに払った。




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