番外編〜楓〜中編


[06]笑顔


次の日、私は少し早めに家を出た。
それはもちろん…。
「太陽さん!」
目前に太陽さんを見つけ、とっさに呼び止めると太陽は振り向いた。
「楓…どうした?」
昨日の事を思い出すと少し恥ずかしくて、私は短くなった髪の毛を手でとかしながら話した。
「昨日、太陽さんのおかげで勇気を出して両親に言ったんです。イジメられてる事…。」
「言えたのか…で、何て?」
「すごく驚いてました…でも、何もしないでって自分から言いました。」
太陽さんも、昨日の両親と同様目を丸くした。
「どうして?」
「…しばらく自分で戦ってみようと思うんです。イジメと。黙ったままじゃ嫌なんで…。」
私がそう言うと、太陽さんは笑顔で頷いてくれた。
「そうか。頑張って来いよ!」
「はい!行ってきます。」
その笑顔にまた力をもらった私は、笑顔で学校へ向かった。
何だか、イジメにも勝てるんじゃないかという気がしてきた。
やっぱり笑顔はすごいものなんだ…。




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