第7章


[38] 



「まったくお前は!」
ピカチュウが走り寄ろうと向きを変えた途端、
轟音と共に、動けないミミロップ目掛けて稲妻が走った。

「きゃあああーーーー!」
「ミミロップー!」

だがその時…
遥か後方から急上昇した影が、閃光を一身に浴びる。

ばささっ………

電撃の代わりに、ミミロップの頭上に茶と白の羽毛が降り注いだ。
残りは…
「ム、ムクホーク?!」
焼け焦げた体が垂直に落下し、地面へ叩き付けられた。

ミミロップは足を引き摺りながら、ムクホークの元へ急ぐ。
「ムクホーク!あなたは…!」
「…ロ…ローストチキンに…なっちまた…へへ…」
「バカ…!電気は弱いのに…何で…何で…?!」
思わずミミロップは、煙を上げるムクホークにすがり付いた。

「…へ…へへ…弱気で…情けない…俺が……ちゃんとミミロップたんを…守ったって……
 …さすが…に…ニャルマーも……褒めて…くれ……………」
ミミロップに見つめられ、ムクホークは満足そうに目を閉じた。


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