第7章


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「くははは!身の程をわきまえぬクズ共が!大人しく排除されればよいものを!」
逃げ惑う奴らを横目で見ながら、アルセウスは嘲笑する。

「俺達はもう、誰かの言いなりになどならん!」
「ケッ!てめえはギンガ団よりよっぽどタチが悪いぜぇ!」
「ゆるさないー!」
エレキブル達は息巻いた。
「ピカチュウ、話は聞いた…自我を持つ事を許されぬ者の苦しみ、俺達にはよく分かる」
「ユンゲラー…」
「自分勝手な奴らの犠牲となった、親友の為にも…俺達は戦う!」
そう言うと、ユンゲラーはアルセウスを睨んだ。

「小癪な!喰らえ!」
黄色の石版が内側から光を放ち、バチィッという音と共に火花を散らす。
次の瞬間、稲妻が束となってピカチュウ達に襲い掛かった。

「雷だ!」
「まかせろ!」
エレキブルが飛び出し、盾となって稲妻を受け止める。
「ぐおおおおお……!」
後ずさる体が、バチバチと青白くスパークする。
「大丈夫か?!」
「こんなの…お前の10万ボルトに比べりゃ…くすぐったいだけだぜ……!」

衝撃が治まるやいなや、再び石版が光り出す。
「また来るぞ!ピカチュウ!皆を別の場所へ移動させろ!」
白く発光しながら、エレキブルが叫んだ。
「よし!左右に別れろ!残りの石版を狙え!」
皆が走り出す中、ミミロップが急にもんどり打って倒れ込んだ。
「何してる!早く来い!」
「くっ…!待って…!」
すり抜けた雷が、ミミロップの自慢の足を傷付けていた。

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