第42章


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 一度は取り戻した自信もみるみる萎んだのか、その体がガタガタと震えだす。
「ご、後生だ、助けてくれ! ここまで喋った事がバレたら……俺は仲間からも狙われちまう!!
何しろ、ランス様は組織で最も冷酷と呼ばれた……」
「もういい!」
 男の懇願を遮り、デルビルは爛々と赤く目を光らせ、牙をギリっと噛み鳴らした。
「ご苦労だったな、てめえはもう用済みだ! おい、ピカチュウ! ミミロップ! こいつを始末しろ!」
「そ、そんなあ! 全部正直に話したじゃねえか!! ポケモンの餌だけは勘弁してくれええ!!!」
『おい、そんな事をして、本当にいいのか?』
 デルビルの意外な豹変振りに内心驚きつつも、俺は一応の確認を取る。
「構わねえよ! あんな野郎の下に付くなんざ、どうせロクな奴じゃねえ!」
 デルビルは一瞥もせず、怒りの表情のまま、吐き捨てるように言い放つ。

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