第41章


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「ふん、別にそんな必要は――」
「いえ、よろしく頼むわ、プテラ。戻れるようになったら、いつでも戻ってきてって二匹には伝えておいて」
 俺の口を再び強引に塞ぎ、ミミロップが割り込んでくる。
「合点承知でぇ。んじゃ、お達者で旦那方。また無事に会えることを期待してまさぁ」
 プテラは翼で一、二回空を叩いて思い切り上空に飛び立ち、翼を大きく広げると空を滑るようにして飛んでいった。
「……余計なことを」
 眉間にシワを寄せ、俺はぼそりと言う。
「はいはい。早くヒワダタウンに行きましょ。確か、ここから南西ってプテラは言ってたっけ。じゃー、ゴーゴー」
 意に介せぬといった様子で、ミミロップは歩き出した。

「ねえ、アブソルちゃん。ヤドンのしっぽ、そんなにおいしいならマージもちょっとだけたべてみたいかもー。
たのんだら、かじらせてくれないかなー?」
 背後でじゅるり、とムウマージがよだれをすすり鳴らす。
「や、やめたげてよぉ」
 ……会って早々、噛み付いたりしなければいいが。


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