第41章


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「しかし、だ。ヤドン達への非道な行いが事実なのであれば、それはあまりに目に余るというもの。
種族は違えどポケモン同士として、見過ごすことは出来ぬ」
「そ、それじゃあ!」
「いずれにせよ、ミュウツー達に直接繋がるような足がかりは現状無いに等しいのだ。
我らの存在は既に奴らに知られてしまっている以上、不用意にコガネシティに近づくのも尚危険になったのだろう。
城を攻めるならばまずは外堀からと云う。ジョウトにも信頼できる新たな仲間を置き、地盤を固めるのが得策と考える。
まずは――あまり頼りにならないこと必至であろうが――ヤドン達の安否を調べ、可能であれば配下としよう」
「ありがとう、それでこそピカチュウだよ!」
 アブソルはパッと表情を晴らし、歓喜の声を上げて飛び付いてきた。
「ぶわっ、お、大げさだッ! 離れよ!」
 分厚い毛並みに埋めこまれ、俺は抜け出ようともがく。
「そーよ、これくらい当然なんだから」
 言ってミミロップは俺をひょいと持ち上げ、アブソルから引き離した。
「うー、こっちはさっさとフーディンとっ捕まえて人間の体を取り戻したいってのによ……!」
 デルビルはチッ、と悪態をつき、そっぽを向いた。

「んで、旦那方はこれからヒワダタウンに向かうってんでいいんだな。バラのにぃちゃんと黒猫さんはどうすんでぇ?
 もしおれっちがジョウトを巡ってる途中で出会うことがありやがったら、ついでに行き先を伝えておこうかい?」
 翼を広げながら、プテラは訊ねる。


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