第40章


[08] 


聞き返す間もなく グギュグバァッ! という衝撃音と共に、俺の背後の壁がガラガラと崩れ落ちる。
「うわっ!何でえ?!またビッパの友達でやんすか?!」
「違うお!ボクこんなの知らないおー!」
ぽっかりと開いた壁の穴からのっそりと現れたのは――背に赤い羽の生えた青い竜――
「何故貴様まで来る?!今更どういうつもりだっ?!!!」
「ようやく身内の確執も解決したので、和解の宴があると聞いて来たのだが……」
全く悪びれる様子もなく、ボーマンダは平然と答えた。
「どこでどう間違ったらそんな話になるのだ?!……それ以前に玄関から入れ!!!」
「急いでいたものでな、時空の調整を少々誤ったようだ」
「貴様……まだ寝ぼけているのか……?」
「……相変わらず自分勝手ですわね……」
流石のミロカロスとキュウコンも呆れ、揃って溜め息を吐いた。

派手な新ゲストの御登場に皆が騒然とする中、急に黄色い歓声が上がる。
「きゃーん!何かと思えば、渋くてクールでタイプ:ワイルドなイケメンじゃな〜い!!
 ちょっとピカチュウ!何でこんなステキな知り合いのコト今まで黙ってたワケ〜?!」
「い、いや、別に知り合いという程では……ぶほぉっ!」
今度は興奮した様子のメスのニューラが、俺の脇腹を肘鉄でガシガシ突く。
「はああ?おめえ、こんな羽トカゲ野郎が好みかっつーの?!」
「悪タイプだけに悪趣味ってか!ギャハハ!」
「うっさいわね〜!邪魔よあんた達!さ、お兄さんも一緒に飲みましょ!」
メスのニューラはオスのニューラ達を電光石火の早業で蹴散らし、思わず絶句するボーマンダを引っ張って隣りに座らせ、いそいそとお酌など始めた。

……奴らの「正体」を知ったら……こいつらは一体どんな顔をするだろうか……


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