第40章


[07] 


「おう、何でえ何でえ!ボス直々のお客様でやんすか?」
俺達の様子を察知し、ドンカラス達がわらわらと集まってくる。
そしてミロカロスとキュウコンの姿を見るや、配下達――特にオス共が俄かに色めき立つ。
「カアアー!こりゃすげえ別嬪さん達じゃねえですかい!このぉ、ボスの色男!」
やけに緩んだ顔付きで、ドンカラスは俺の背中を翼でバシバシ叩く。
「……そんなものではない……げほっ……こいつらが勝手に……」
「ささっ、こんなむさ苦しいあばら屋ではありやすが、ゆっくり寛いでいっておくんなせえ」
俺の言動を遮り、ドンカラスは羽先で塵を払うような仕草をしながら、二匹を上座へと勧める。
「あらまあ、それではお言葉に甘えて……」
「では、正式に参加させてもらうぞ」
勝ち誇ったような顔付きで、ミロカロスとキュウコンは俺の近くに座った。
ミミロップは膨れっ面をしながら、両腕で俺の体をきつく締め付ける。く、苦しい……
無理矢理マニューラに付き合わされているロズレイドも、困惑した顔でこちらを見ている。
「あ〜ん?何だよロゼ。テメーもやっぱ、あーゆーキンキラしたのがいいのかぁ?」
「ち、違いますよ!そんなんじゃ……だって……だって僕は……」
マニューラに絡まれ、しどろもどろになるロズレイドの頬が真っ赤に染まっている。
あいつも大分飲まされ、大いに酔っ払っているに違いない。気の毒に。

それにつけても……
「まさか、貴様らの如き輩が、二匹も揃ってこんな下賤な場に来るとは……」
「あら、二匹ではないですわよ?」
「あやつときたら……役目を離れた途端、時間にルーズになりおって」
何だと……?


[前n] [次n]
[*]ボタンで前n
[#]ボタンで次n
[←戻る]




Copyright(C)2007- PROJECT ZERO co.,ltd. All Rights Reserved.