第40章


[06] 


「な、何でこいつらが一緒なのよ!ひょっとしてグルだったの?!」
俺を抱えたまま、ミミロップがムッとした顔で二匹を睨み付ける。
「一体何の用?!あんた達なんて呼んだ覚えはないわよ!!」
「まあまあ、折角のお目出度い席で、そんな恐ろしげな顔をするものではありませんわ。
 何しろ私達は、あなたの主とは特別な関係なのですから……」
「 な ん で す っ て 〜 〜 〜 〜 〜 ? ! 」
ミロカロスは意味有りげな微笑を浮かべ、ミミロップを挑発するように言う。
「それに、あやつ……アブソルを治癒したのはこの私だ。呼ばれて然るべきだと思うが?」
明らかにミミロップをからかい、その反応を楽しんでいるミロカロスを横目で睨みつつ、キュウコンは冷然とした態度で言い放つ。
その事を持ち出されると何も言えぬ様で、ミミロップはグッ……と唇を噛む。
「ふん……前より少しは成長した様子だが、短気な性格はそのままのようだな」
「へ〜んだ!私もロゼちゃんも、強ーくなる為に辛〜くて厳し〜い修行を積んできたんだから!
 あんたがゴーストの元締めだか何だか知らないけど、もう大きな口は叩かせないわよ!」
「ならば重畳。精々無駄に命を落とさぬよう頑張る事だな」
キュウコンに軽く往なされ、ミミロップは不貞腐れたようにプイッと横を向く。
その隙を見て俺は二匹に詰め寄り、ミミロップには聞こえぬよう小声で囁いた。
「貴様ら……今度は一体何を企んでいるのだ?!」
「別に何も企んでなどおらぬ。好きに生きさせてもらう、と言ったではないか。
 今まで役目に縛られていた分、少しぐらいこのような席で羽目を外してもよかろう」
キュウコンは、ふと、部屋の隅で眠るアブソルの方へ目を向ける。
「まるで何もなかったかの如く安らかに……呑気なものよ……」
……そう言いながらも奴の横顔は、心なしか微笑んでいるように見えた。

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