第40章


[05] 


 ……さて、悪酔いも持ち直したことだ。もう少しこやつらに付き合うとするか。
支配者たるものが先に潰れきっていては格好がつかぬ。
俺は盃を手にし、ミミロップが酌をした酒をぐいと呷った。
「お邪魔するよ」
 不意に食堂の外から微かに響いてくる声。喧騒に包まれ大半が気付かずにいる中、俺は一体誰が今頃遅れて来たのだろうかと目を向ける。入り口をくぐって現れたのは、白金銀色の毛並みをした狐と、七色に淡く輝く鱗をした蛇――!
俺は思わず含んでいた酒を盛大に噴き出し、げほげほと咳き込む。
「な、な、な、何をしに来た貴様ら!」
「あら、いつでも訪ねてよいと仰ったのはあなたではありませんか、ふふふ」


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