第40章


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「じゃあ、そのお友達、ペルシアンさん達に探して貰ったら?
 カントーの事だったら何だって知ってるんだから、すぐに見つかると思うよ!」
一連の話を聞いていたアブソルが手を叩き、目をキラキラさせる。
「おう! そーゆーこったら、おれっちが先に白猫の旦那に報告しに行ってやらあ!」
プテラもドン!と翼の先で胸を叩く。しかし、元が化石だったせいか、やたらタフで頑丈な奴だ。
「あー、いいっていいって」
マニューラは面倒臭そうに、鉤爪をひらひらさせがら押し止める。
「だからよ、オレはオレで勝手にすっから、テメーらに余計な手間ぁ掛けさせねーよ。
 テメーらはコピー野郎共をぶっ飛ばす算段でもしてやがれ」
そう言うと、マニューラはゴロンと横になった。
「あーあ、何か無駄に体力使っちまったぜ。おいロゼ、一眠りすっから、あのヘナチョコ笛でも吹いてくれ」
「でもあれは……あまりお気に召さなかったんじゃ……」
「いーんだよ。オレが気まぐれなのは知ってんだろ。気が変わらねーうちに頼むぜ」
「あ……はい」
ロズレイドは手から葉を一枚ちぎり、口に当てて静かに吹き始めた。
心安らぐようなメロディが潮騒に乗って流れ、マニューラはすぐに大きなイビキを掻き始める。
つられてアブソルとムウマージ、それにプテラが寄り固まって眠り始めた。
ついでにフローゼルまで舟を漕ぎ始めたので、軽く電撃を食らわせてやって本来の漕ぎ場に戻らせる。
しかし……

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