第40章


[28]


 プテラは俺の姿を目に留めると、あっけらかんとした様子でぎゃーぎゃーと騒がしい声を上げた。
「お知り合いで?」
 必死に取り押さえようとプテラにへばり付いているヤミカラスの一羽がぽかんとして尋ねる。
カントーの配下だと説明すると、ヤミカラス達はしがみ付いていた箇所を羽先でぱたぱたと丁重に払ってから、「こ、こりゃどうも、失礼しました」そそくさと食堂を出て行った。
「急いで旦那に会わにゃ何ねえっつってんのに邪魔してくれやがって。あんのカラ公共、客の持成し方ってやつがまるでなっちゃいねぇ。まったくよォ」ふん、とプテラは鼻を鳴らす。
 こんな見るからに厳つく危なそうな輩が息巻いた様子で突っ込んできたら、何が何でも止めようとするのは至極当然なことのような気もするが。それはともかく、
「遠くカントーからご苦労であった。一体何があった?」
「おっと、うっかりしちまうとこだった。おれっちゃ白猫の旦那に言伝を頼まれて来たんでぇ」
 白猫――ペルシアンの言伝と聞いて、すぐにぴんと来る。きっとミュウツー達の足取りに関することに違いない。
「だがその前に、お冷を一ついただけねえかい?大昔よりも陸地がばらんばらんに離れてやがって、ちょいと翼を休めるところが殆んどありゃしねぇ。さすがのおれっちも体クタクタの喉カラカラよ」 
 気が抜けた様子でへろへろとプテラはしゃがみ込む。
「……うむ、何か用意してやれ」


[前n] [次n]
[*]ボタンで前n
[#]ボタンで次n
[←戻る]




Copyright(C)2007- PROJECT ZERO co.,ltd. All Rights Reserved.