第40章


[29]


――「つまり、まだあいつが生きている可能性もある、と?」
 大桶に顔を突っ込むようにして水をがぶがぶと飲み続けているプテラに、俺は確認する。
 プテラがもたらした情報は、やはりミュウツー達の存命の痕跡を見つけたというものであった。
既にギラティナの忠告を受けていた俺はまだしも、ミミロップ達は緊張した様子で表情を少し強張らせて押し黙っている。
「へえ、白猫の旦那の見立てによりゃどうやらそうみてえで」
 ざぶんと桶から顔を上げ、プテラは答えた。岩の肌を苦手な水に長く浸けすぎたせいなのか、その鼻先は薄っすらと白く染まっている。へへ、いけねえ、とプテラはそれを翼でごしごしと拭い去った。
 しかし、情報の中にはもう一つ。絶望の中の微かな希望となるものもあった。
俺達がカントーを去ってからしばらく経った後、薄桃色の猫に似たポケモン――レッドが連れていたエーフィのことだ――
が、ハナダの近隣で瀕死に近い状態で倒れていたところを発見され、今もペルシアン達のもとで保護されているらしい。


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