第40章


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「ヒャハハ、例えハッタリでも、そこまで吹けりゃ大物には違いねーな。おもしれー奴らだったぜ」
 どかりと机に足を乗せて氷の背もたれに寄りかかり、マニューラは不敵に笑う。
「くうう、最上の玉の輿に逃げられたってワケ……!」
「どーせオメーなんか相手にされてねえっつ――のごッ!」
 せせら笑うオスニューラの顔面に、強烈な裏拳がめり込んだ。
「ギャヒー、神よりこえー!」

「ガハハ、あんなべっぴんと酒が酌み交わせるなら、正体が神だろうと悪魔だろうとどうでもいい」
「ふぅむ、ギンガ団の唱えていたことはあながち絵空事では無かったのだなぁ」
「ああ、あの白銀の足になら、また波乗りボードとして顔を踏まれてもいい……かも」
「お、おい……変な道に足を踏み外すな、帰って来いドーミラー……!」
 
 あーあ、こんなことならサインか足型を貰っておくべきだったお。
何か願い事をお祈りしておけば良かったキィ。確か消えないうちに三回言わなきゃいけないんだぞ。 
それは流れ星だポチャ……。 

 ――がやがやと、好き勝手に言って騒ぎ立つポケモン達。
奴らの正体を知って尚、恐れも忌避もせず、ちょっとした有名人に会ったかのような程度の態度とは、本当に重大さを分かっているのかいないのか。
どこまでも恐れ知らずなふてぶてしさ……流石は我が眼鏡に適った者達なり。
こうでなくては世界を牛耳る帝王の配下など勤まらぬというものだ。

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