第40章


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「――我らに語れることは、これで全てです」
 話を聞き終え、ロズレイドは半ば放心したような顔をしてその場に立ち尽くしていた。
何せ実際に関わってきた俺でさえも、改めて思い返せば信じられないような出来事ばかりだ。
だが、エスパーやゴーストポケモンではないというのに、いや、そのどちらであろうとも、おいそれと真似できないような事象の数々――時の巻き戻しや停止、空間の跳躍、影との同化や操作等――を何度も実際に軽々と見せ付けられれば、只ならぬ絶大な力の存在が事実だと思い知らされる。
「とても信じがたい話だろう。全て受け入れろとは言えぬ」
「……ええ、想像していた以上に壮大な話です。しかし、信じざるを得ないのでしょう」
 そう言って、ロズレイドは沸き立つ感情を堪えるようにぶるぶると体を震わせ始める。
「今まで俺がお前達に隠し通そうとしていたのは、決してお前達の事を蔑ろにしようとしていたわけではない。
それだけは信じてほしい」
「分かっています。ちゃんと話そうとしてくれた以上、これ以上責めたりはしません。それよりも、決めたんです!」
 その声は怒りというよりも、何か大きな目標を見つけたような、前向きな興奮に震えているようだった。


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