第40章


[19] 


「な、何をだ?」
 今までに無いロズレイドの勢いに圧され気味になりながら、俺は尋ねる。
「前から少し考えていたんです。僕にしか出来ないことは何だろうって。そうして思いついたのが、あなたと我々の伝記を記すこと。王と国には後世に語り継ぐ伝記の一つや二つ必要でしょう」
「伝記……ううむ、悪くはないが、お前以外に文字を読み書きできるような者がいるのか?」
「ポケモンの中にも、マニューラさん達の様に独自のサインを生み出し、理解できる方々がいます。
その皆でアイデアを出し合って協力し合えば、きっと色んなポケモン達にも理解しやすい、素晴らしいものが出来上がるはず!こうしちゃいられない、今聞いた話を少しでも忘れてしまわない内に、大筋だけでも書き留めておかないと。それでは、お先に失礼します!」
 ミロカロス達に深々と礼をすると、ロズレイドはいそいそとしながら部屋を飛び出して、いずこかへ駆けていった。
少し呆気にとられながら、俺とミロカロス達はその後姿を見送った。
「はてさて、どうなることやら……。何にせよ、私達が出来る限りの事はしましたわ」



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