第40章


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「な、何ですかその目は?別に他意は……」
「何も言わずともよい。お前の態度を見れば大体察しておるわ」
「あは、あはは……ばればれですか、ね。……その、とにかく内密に頼みます」
 顔から火を噴き出しそうなほどに真っ赤になって、ロズレイドはうつむいた。
ああ、やはり何か重大な弱みを握られ、つけこまれてしまっているのだろう。かわいそうに。
「うむ。俺は他の者に公言したりはせん。案ずるな。さあ、アブソルを二階に連れて行くぞ」
「はい……」
 協力してアブソルを慎重に担ぎ、俺とロズレイドは二階へと向かう。
どうにか階段を上りきり、廊下を歩む途中、
「それにしても、あの方々――ミロカロスさんと、キュウコンさんと、ボーマンダさんでしたっけ。何と言うか、不思議な方々ですよね」
 出し抜けにロズレイドは言った。
「どういう意味だ?」
「……いえ、僕達の周りで何か不可思議なことが起きる前後には、いつも近くにあの方々の影があった――
そんな気がしまして」



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