第39章


[09] 


 しょげた様子でムウマージは返事をする。思っていたよりも素直に引き下がってくれたようで良かったとミミロップはホッとする反面、洋館に一匹きりにされてムウマージも寂しい思いをしていたのだろうと少し罪悪感を感じた。
「ごめんね、マージちゃん」
 謝るミミロップに、きょとんとしてムウマージは不思議そうに首をかしげた。
「わるいのはマージでしょー?」
 ううん、とミミロップは首を横に振るう。
「いいの。相談もしないで飛び出して行って悪かったわ。ドン達もドン達よ。マージちゃんを置いてけぼりにしちゃってさ。お化けくらいなんぼのもんじゃいって、どんと構えてる甲斐性も無いなんて情けないったら!」
「”ドン”だけに、ですか」
 茶々を入れるロズレイドをミミロップはじろりと睨む。
「いや、すみません、つい。マニューラさん達との長いキッサキ暮らしが少々口の方に響いているようで」
「……ま、とにかく!これからは私と、ちょっと頼りないけどロゼちゃんもまた一緒だからね」
「うん」
 幾らか心が晴れた様子で笑みを浮かべてムウマージは頷く。
「じゃあ、みんなとバイバイしてくるね」
 それから少し名残惜しそうにしながらもムウマージは部屋を出て行った。



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