第39章


[07] 


「はぁい、その通り……今はロズレイドって言いますが、今まで通りロゼちゃんで良いですよ……ここの友達のみなさんにもそう呼ばれてますしぃ……エヘヘェ」
 やつれた薄ら笑いを浮かべ、ロズレイドは答えた。
「そ、そう……進化したのね。一応おめでと。ところでそのみんなはどこに行ったの?」
 様子のおかしい不気味なロズレイドの態度に少し怯えながらも、ミミロップは何があったのかを確かめようと仲間の居所を尋ねた。
「やだなぁ、あなたの周りにも沢山いるじゃあないですか」
 ロズレイドは不思議そうに首を傾げて言う。ミミロップは驚いて周りを見てみるが当然誰の姿も見えない。
「何も居ないけど……やっぱり何か変よ、あんた」
「うーん、見えないなんて変ですねぇ……じゃあ、あなたにも見えるようにして差し上げましょう……」
 糸人形のような不自然な動きで、ゆっくりとロズレイドは立ち上がった。どんどん気持ち悪くなってきて、ミミロップは後ずさってロズレイドから距離を置く。
「そ、それ以上近づいたら本気で怒るから!」
 構えを取りながら威嚇するミミロップもお構いなしに、ロズレイドはふらふらと歩み寄ってくる。

「いい加減にしなさいッ!」
 もはや我慢の限界と、とうとうミミロップは強烈なキックをロズレイドに見舞う。蹴られた勢いでロズレイドは食堂の壁に強かに頭部をぶつけ、そのまま蹲るように倒れた。

「あ……だ、大丈夫!?」
 さすがにやり過ぎたかもしれないと心配になり、ミミロップはロズレイドへと駆け寄った。
「うう、なんだか頭が痛い。僕は一体何を……?」
 呻きながらロズレイドは頭をさすりつつ体を起こす。
「あ、あれ、ミミロップさん。いつお帰りになったんですか?」
 どうやら正気に戻った様子のロズレイドに、ミミロップはほっと安堵の息をつく。
「ついさっき。私が居ない間、何があったわけ?」
「そ、そうだ!大変なんです――」
 ロズレイドは今この洋館が置かれている状況をミミロップに話す。

「なる程……。幽霊なんてどーも信じられないけど、さっきのあんたの様子見たら信じるしかないか。とりあえずマージちゃんを探しましょ。付き合う友達はもっと選ぶべきだってちゃんと教えてあげなきゃね」

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