第39章


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 泡立ちは収まることなく激しさを増し、塊が一気に地から伸び上がったと思うと、狐のような形となって宙に固まった。
 すかさずパルキアは尾を縦一閃。真っ二つに狐の形は裂ける。が、直後に切れ口から裏返るように九本の触手が一斉に飛び出し、パルキアを襲った。
向かってくる触手達をパルキアは次々と斬り払い、斬り損ねた一本を先程の光を壁のようにして防ぐ。

 鍔迫り合いの如く、向き合って二体は互いの力をぶつけて押し合う。間に巻き込まれれば、俺の脆い肉体などあっという間に粉々にされてしまいそうだ。
「力を取り戻して何を企む、ギラティナ!」
 表情を歪めながらパルキアは狐の影――ギラティナの化身に叫ぶ。
「アルセウスを呼び覚ます。滅ぼそうとした次は、管理を無責任に放り出し、己は眠りにつこうとするなど、そのような身勝手が許されるはずがない……!」

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