第38章


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ロゼリアに友好的だったニューラ達の空気も途端によそよそしく冷たいものに一変していた。偶々視線が重なっただけでぎょっとした様子で目を逸らされ、誘ってくれたニューラ達も少しすまなそうにしながらもそそくさと傍を離れて違う席へと移っていく。
 やるせなさと同時に申し訳ない気持ちになりながら、そっとロゼリアは席を立った。やはりあのニューラをどうにかしない限り、他のニューラ達にも溶け込むことはできそうにない。こうなったら自分の何がそこまで気に入らないのかじっくり問い詰めてやろう。嫌な思いはしたが向こうから二匹だけになる機会を与えられ、当初の目的を達するにはむしろ好都合だとロゼリアは考えることにした。
 ニューラ達は離れていくロゼリアの背を横目で見送りながら心配そうに小声を交わす。やばそうだぞ。でもとばっちりを食うのはごめんだ。一応マニューラに伝えた方がいいんじゃあないか。なら俺が行ってくる。話し合うと、一匹が上へと駆けていった。


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