第38章


[02] 



 たどり着いたいつもの広間はニューラ一匹おらず、天井のレアコイルも休眠状態に入っているのか真っ暗だった。
「他の皆さんは?」
 不安げにロゼリアは尋ねる。
「まだおねむさ。当分起きてこねーよ」
 マニューラは小さな石を拾い上げ、レアコイルにこつんとぶつけた。
「ビ!」とレアコイルは驚いて飛び起き、部屋を照らす。
抗議しようとするレアコイルに、マニューラは「しっ」と爪を口に当てた。

「え、と。これから何をするんですか?」
「鈍いな。誰にも邪魔されない中、二匹っきりでやることなんて大体……わかるだろ?」
 そう囁き、マニューラはロゼリアに擦り寄るように近づく。
「え? ええ?」
 顔を真っ赤にして戸惑うロゼリア。
その無防備な隙を狙い、マニューラは思い切りロゼリアの体を蹴り飛ばした。

「何ボーッと突っ立ってやがんだ。もうタイマンは始まってるんだぜ」
 後ろに倒れこんで茫然としているロゼリアに、マニューラは鉤爪を長く伸ばして突き付けた。
「立ちな。今日から約束通り、オレ達の戦い方ってやつを叩き込んでやる。
まずはオメーがどれだけ、ご希望の“これ”でやれんのかオレが直々に見てやるよ」


[前n] [次n]
[*]ボタンで前n
[#]ボタンで次n
[←戻る]




Copyright(C)2007- PROJECT ZERO co.,ltd. All Rights Reserved.