第38章


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――なんて分厚さなんだ!
 ロゼリアは根元近くから折れた自分の針を見つめる。
「やっぱオレの爪のようにはいかねーかぁ」
「すみません……」
 ロゼリアにとって、自分が出しえる最高の一撃のはずだった。やはり右腕代わりになるなど思い上がりだったのだろうか。いや、まだそんな風に諦めるには早すぎる!
 イノムーの群れは周りのニューラ達に追い込まれてUターンし、再びマニューラ達に向かってきている。折れた針を花から捨て去り、ロゼリアは新しい針を思い切り飛び出させた。
「必ず僕でも倒せる方法はあるはずです」
 強気に構え直すロゼリアを見て、マニューラはくす、と微笑んだ。
「おーおー、頼もしいぜ。なら一つ言ってやる。あのウスノロのバカみてーに厚い毛皮をオメーの細っちい針で、オレの鉤爪みてーに切り裂くのは諦めなー。だから、無理しねーでオメーなりにできることをやれ。先が細く鋭いからこそやれること。おりこーなロゼちゃんなら、すぐ分かるだろう?ヒャハ」

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