第36章


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「――ふー、助かったポ……ゴホン、よ」
 剥がし終えた葉っぱの上に座り込み、エンペルトは安堵の息をついた。

「何やってんでえおめえは。ミノムッチにでもなりたかったんですかい」
「そんなわけないだろ。物置で芝刈り機に襲われたんだ。捜し物をしていて邪魔だったからどかそうとしたら、
いきなり芝刈り機が動きだしてすごい勢いで葉っぱを吹き付けられてこのざまだよ」
「今度は芝刈り機だってえ?」
「……ドン、やっぱり最近の洋館は変だ。ヤミカラス達の言う通り何かが住み着いたのかもしれない」

 初めは部下達から聞いていた話も半信半疑だったドンカラスも、
こんな冗談を言うとは思えないエンペルトまで被害にあったことで信じざるをえなかった。
「ううむ……ちょいと調べてみやすかね」



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