第33章


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「クソッ!おろせー!」
あれは、シンオウにいたゲンガー―――短い手足をじたばたさせいるが、無駄な足掻きのようだ。
「やめておけ、程度のビリリダマ程度の爆発では装置を破壊するに至らん。
無論、やすやすと爆発させるつもりは毛頭ないがな。」

ミュウツーが空いている手を上げ、叫ぶ
「目覚めよ!我が野望の元に!」
次々とガラスの砕ける音と雄たけびが鳴り響く。
―――おそらく十数匹…いや、それ以上か?

「やめろぉぉっ!」
黒い影が岩陰から飛び出し、その牙がミュウツーの腕に食い込んだ。
「これ以上その機械をお前みたいな出来損ないに使わせるのは我慢ならねぇ!」
―――デルビルだ、何かわめいているがよく聞こえない。口汚く罵っている事は確かだが
「フン、自分のその姿を見てからものを言うんだな。」

一瞬、俺のクローンがデルビルに気をとられた。
隙を逃さず値に電撃を打ち込み、同時にアブソルたちの元へ駆け寄る。
「怪我は無いか?」
「うん…。」
確かに目立った傷はないようだが、何か様子がおかしい。

既に先ほどの雄たけびの主であるクローン達の姿が確認できるところまで来ている。
―――これ以上ここにとどまるのは危険だ。
「ここはいったん引くぞ。流石にあの数では多勢に無勢だ。」
「待って…なんかぼく…変…」

突然、腕輪が高い金属音と共に輝き始める。
それに呼応するかのようにアブソルの体も
―――ッ!




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