第33章


[12]     



「もうわかっているはずだオリジナル。俺たちの間には覆しようのない差があることにな―――
何ならそちらの子ウサギも一緒にかかってくるがいい。」
「ちょっと、でしゃばるんじゃないわよ!私のオリジナルは私がけりをつける、邪魔しないで!」
どうやら、奴らはお互いをあまり信用していないらしい。
ミミロップもコピーに間に流れる不穏な空気に気づいた様だ。
「ふーん…最初見たときは本当にそっくりだと思ったけど、けっこう違うとこあるのね。」
「当ったり前じゃない、言ったでしょ?私たちは勝つために造られたの。
あんた達と違って、わたし達の間にはチームプレーなんていう都合のいい言い訳は存在しないわ。」
「さて、おしゃべりはここまでだ。」
そう言うや否や、奴らは己のオリジナルに止めを刺そうと駆け出した。
「ど、どうする?」
指示を求めるミミロップの顔から不安がにじみ出ている。
「とにかく倒れるな。俺が奴を片付けるまではな。」
「う、うん…早くしてよねっ!」
お互いがお互いを奮い立たせ、俺たちは迫りくるコピーを迎え撃つ―――


射程圏内に入ると同時に、無言のまま奴の電撃が走る。もう遊ぶ気は無くなったらしい。
さっきはああ言ったものの、やはり俺に残された手は少ない。
必死に攻撃をかわしつつ腕輪に意識を集中する、カイリキーの時と同じ桃色の光が輝き始めた。
―――まだだ、この程度の光では足りない…
電撃が頬をかすめ、徐々に奴の電撃が俺の体を捉え始める。
―――まだ…もう少し…
「いつまでそうやって逃げ続けているつもりだ?」
少しイラついたように言葉をこぼし、奴はさらに攻撃の手を強めた。
―――今だ!


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