第32章


[02] 



 翌朝、使いのオニスズメに呼び出され、俺達はペルシアンのもとへと向かった。
 ペルシアンは前回訪れた時と同じ木の下、鳥達の集合場所に座って待っていた。目の下に隈が出来ており、
少しやつれて見える。
 俺達を連れてきた事をオニスズメが報告すると、ペルシアンはオニスズメを下がらせこちらへ向き直った。
「ぐっすり眠れたかニャー? ……まあ、あんたらのその様子だと聞く迄もないかニャ」
 精一杯そうに軽口を叩いた後、ペルシアンは真剣な表情へと戻る。
「それじゃあ、じっくり漏れなく聞かせてもらうかニャ。噴火する前、グレン島で何があったのかを全部ニャー」
 言われた通り、俺達は島での出来事を包み隠さず話す。ピジョンがアブソルを庇った為に怪我を負い、
それが最期へと繋がった事も――。
 聞いている間、怒りか悲しみかにペルシアンの肩は震え、足元の地面は立てられた爪で深く抉れていった。
 話し終えると、涙を必死に堪え謝るアブソルのもとへ、ペルシアンは詰め寄るように近づいていく。
 目の前でペルシアンの前足が振り上げられ、アブソルは目をぐっと閉じた。



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